しっかり落とす編(シミ)

お洗濯できない衣料や、シミをつけてもすぐにお洗濯しないときに、家庭で行うシミ抜きの方法です。

シミ抜きをする前に

準備をしてから始めましょう。ただし、和服や革製品、高級ドレス、大切にしている衣料や、シミ抜きに自信がない衣料は、無理に家庭でシミ抜きせずに、専門店に依頼しましょう。

やっておく作業

  • シミのまわりのホコリを取り、手で取れる固形物は取り除いておきます。
  • シミの種類や衣料の素材にあった薬剤を選びます。
使用する薬剤を衣料の目立たない部分につけてたたいて確認します。
衣料の下に白い布を敷き、目立たない部分をたたいて、白い布に色が移らないかを確認します。
色落ちやシミができた場合
→家庭ではシミ抜きできません。専門店に依頼しましょう。
色落ちやシミができなかった場合
→手順にしたがって、染み抜きをしましょう。

主な薬剤や道具

シミ取り剤
専用容器に入って使いやすくしたものです。容器が道具になっているので、容器で直接シミをたたくことができ、シミを吸い取る下敷きシートもセットされているものもあり便利です。
洗剤
シミ抜きに使う洗剤は、部分的にムラになるのを防ぐために、「無けい光」の表示がある洗剤、例えばおしゃれ着用洗剤などを薄めて使います。
洗剤液(薄め液)の作り方:100ccの水に衣料用おしゃれ着洗剤2mlを溶かします。
溶剤
ベンジンや消毒用アルコール(エタノール)、アセトン(または無色の除光液)などです。

アセトン(または無色の除光液)は、アセテート素材の衣料を傷めるので、使えません。

漂白剤、またはシミ用部分洗い剤
色素が残った場合に使用します。素材にあった漂白剤を選ぶことが大切です。
シミ抜き綿棒またはシミ抜きハンカチ
水や薬剤をつけて、シミをたたいて取り除くときに使います。
和裁用のヘラ
シミをしごき出して取るときに使います。プラスチック製のスプーンやカードなどでも良いでしょう。
タオルまたはキッチンペーパー
衣料の下に敷いて、シミを移し取るときなどに使います。
そのほか
作業でテーブルが汚れないようにする下敷き用の板やビニールクロス、薬剤を入れるコップ、輪ジミができないようにするための霧吹きなどがあるとよいでしょう。

シミ抜きの方法

シミ抜きの方法は、「たたいて取る」、「しごいて取る」、「漂白して取る」などがあります。それぞれのコツは次のとおりです。

「たたいて取る」コツ

洗剤や溶剤などを含ませた「シミ抜き綿棒」で、シミの裏側からたたいて、タオルなどに写し取ります。シミが広がらないように、シミのまわりから中側に移動しながらたたいていくのがポイントです。

  • 板や雑誌など、汚れてもいいものを敷き、その上にタオルを敷きます。
  • シミがついた面を下にして、タオルの上に置きます。
シミがついた面を下にして、タオルの上に置きます。
  • 洗剤液をシミ込ませた「シミ抜き綿棒」で、シミをたたいていきます。
洗剤液をシミ込ませた「シミ抜き綿棒」で、シミをたたいていきます。
  • 衣料をずらしながら、常にタオルのきれいな部分を使ってシミを移し取っていきます。色がタオルに移らなくなるまで、たたきます。

「しごいて取る」コツ

  • 汚れの部分を表にして、板などの硬いものの上にのせます。
  • シミに洗剤液をつけ、和裁用のヘラで洗剤と一緒にシミをしごきます。
  • ヘラは、布目のたて方向の向きに動かします。上下させたり、斜めに動かしたりすると布を傷めるので避けましょう。
ヘラは、布目のたて方向の向きに動かします。上下させたり、斜めに動かしたりすると布を傷めるので避けましょう。

「しごいて取る」方法は、水洗いできる衣料にのみ適用します。

「漂白して取る」コツ

  • 漂白剤液やしみ用部分洗い剤をつけます。
  • たたいたりせず、時々様子を見ながら数分置きます。

漂白剤は素材に適したものを選び、規定の濃度で使用しましょう。また長時間放置するのもやめましょう。

シミ抜きの手順

ひと口にシミといっても、食べ物や化粧品、文房具のシミなどさまざまです。シミを大きく分類すると、「水溶性のシミ」「油溶性のシミ」、水にも油溶剤にも溶けない「不溶性のシミ」などがあります。

水性のシミ

ジュース、しょうゆ、カレー、ケチャップ、水性インク、血液など

  • まずは水またはぬるま湯でたたきます。
  • 洗剤液でたたきます。それでも落ちない場合は、液体酸素系漂白剤、またはしみ用部分洗い剤をつけます。
水でたたいて洗剤などの薬剤を取り除きます。
輪ジミの処理をします。
自然乾燥させます

「しごいて取る」コツ

バター、チョコレート、ファンデーション、口紅、マニキュア、クレヨンなど

  • ベンジンまたは消毒用アルコール(エタノール)などの溶剤でたたきます。

溶剤は火気のないところで使い、かならず窓をあけるなどの換気を行いましょう。

輪ジミの処理をします。
溶剤で取れない場合は、水溶性のシミのとり方で行います。

水にも溶剤にも溶けない固形粒子のシミ

墨汁やドロはねなど

この方法は、水洗いできる衣料に限ります。

  • 衣料用おしゃれ着洗剤を水に溶かした液の中で洗います。
  • シミがついた面を上にして薬剤をつけ、へらなどでしごき落とします。
  • それでも落ちない場合は、墨汁のシミには、ご飯粒に少量の衣料用おしゃれ着洗剤を混ぜたものを練りこんでしごき落としたり、ドロはねのシミには、石けんや、ドロ黒ずみ用の部分洗い洗剤などを使います。

汚れを広げないために

水をかけながら行うと、汚れが広がらずに落とせます。

不明のシミ

油溶性のシミ、次に水溶性のシミの落とし方で行います。

輪ジミの落とし方

  • シミ抜きをしたまわりに霧吹きで水を吹きつけて、シミのまわりをぼかします。
    溶剤しか使用しなかった場合は、シミ抜きに使用した溶剤を含ませた「シミ抜き綿棒」で上下左右に移動させながらたたき、シミの周辺をぼかしていきます
シミのまわりを霧吹き

シミのまわりを霧吹き

  • 輪ジミがとれたら乾いたタオルで衣類をはさみ、水分を取ります。
乾いたタオルで水分を取る

乾いたタオルで水分を取る

  • 手のひらで衣料をはさみ、手のあたたかみで半乾きにします。
手であたため、生乾きにする

手であたため、生乾きにする

乾燥する際に、アイロンやドライヤーを使うのはやめましょう。熱を加えるとシミの成分が残っていた場合に、落ちにくくなります。

いろいろなシミとシミ抜きの方法

食べ物のシミ

シミの種類最初の処理方法次の処理方法落ちないときの処理方法
醤油、ソース、コーヒー、カレー、果汁、ケチャップ水またはお湯でたたく洗剤液でたたく素材に合った漂白剤で漂白する
酒類アルコールでたたく※水またはお湯でたたく洗剤液でたたく
卵の黄身、バター、生乳、チョコレート 洗剤液でたたく 
チューイングガムベンジン※または酸素系液体漂白剤をつけてはがす  

分泌物のシミ

シミの種類最初の処理方法次の処理方法落ちないときの処理方法
衿あかベンジン※でたたいて脂肪分を取り除く洗剤液でたたく素材に合った漂白剤で漂白する
血液水でたたく洗剤液でたたく素材に合った漂白剤で漂白する

化粧品のシミ

シミの種類最初の処理方法次の処理方法落ちないときの処理方法
口紅、ファンデーションベンジンとアルコール※でたたく洗剤液でたたく素材に合った漂白剤で漂白する
マニキュアアセトン※※(除光液)でたたく  

文房具のシミ

シミの種類最初の処理方法次の処理方法落ちないときの処理方法
青インク洗剤液でたたく素材に合った漂白剤で漂白する還元型漂白剤の温液でたたく
洗剤とご飯粒を練ってシミの上に塗り、へらでしごく  
朱肉、ボールペンベンジンとアルコール※でたたく洗剤液でたたく素材に合った漂白剤で漂白する

※溶剤を使用する場合は、近くに火気がないことを確かめて下さい。また換気に注意します。

※※アセテート製品は、溶けるため使用できません。